読んだ本 台所のおと 幸田文
f.bを通して知った本。タイトルが気になって、読んでみたいと思った。
最初は文字を流して読んで、ちっとも気持ちに入ってこなくって、何回か読んだ。
書かれたのは、昭和30年から40年代。私の生まれるずっと前の話だ。少し上の世代が主人公で描かれてるからかもしれない。
病んで臥せっている夫が妻が台所に立っている音で、料理している内容や妻の気持ちのありかたまで見抜いてしまったりするのは、他に音がない静けさが前提で、その静けさはなかなか今の生活ではなかなか味わえないから、すごく面白いと思った。
料理の感触、手触り。心の機微。自分にない繊細な身体への感覚や心の動き。まだよくわからなくて、まだ何回か読み返したい。そして、生活のなかに少しこの意識を持ち込んでから、また読み返してみたい本。