最近、読んだ本。「村上海賊の娘」
友人のお薦めで読んでみた。
時代物はほとんど読んだことがなかったけど、面白かった。
織田信長が勢力を伸ばしていくなかで、一向宗の門派に籠城戦を仕掛け、そこへ毛利が兵糧を海から、海賊の力を借りて届ける。という話なのだけど、戦国時代特有のお家の存続のために毛利につくか、織田につくか、一向宗に味方するか、微妙な心理的取引やそういう男の世界の駆け引きを越えて、感情で動いていく、女性の海賊(主人公)の心の動きの描写も面白かった。戦国物って言うと、陸戦しか思い浮かばないけど、海戦の戦法とか戦術とかも、知らない世界で面白かった。日本は四方を海に囲まれているから、船を使った海を舞台にした人々の歴史や動きというのは、私が知ってるより、もっと広がりがあるのかもしれないなぁと興味を持った。私の興味はせいぜい海辺にいきる人々の生活くらいまでだった。
ちょっと話はずれるかもしれないけど、去年一昨年と、長野にある朝鮮半島ををルーツにもつという古墳群を見に行ったり、高麗郡のイベントに関わらせてもらったりしたけれど、それだって、朝鮮半島から、船に乗って、日本に渡ってきて住み着いたという話だもんなぁと思った。もっともっと想像力の翼を広げたら、世界が海を通じてあちらもこちらも繋いでいて、ものや人が往来して、その間に色んな人の人生があって、これってなんだかドキドキすると思った。
「隔てるものに思える海が実は繋ぐものであった。」
なんて考えたりして、歴史好きの人の気持ちをほんの少し味わった。